多読という英語学習法がある。しかし、辞書は使わず、ひたすら読むことを進めている著者もいるが、国弘さんが進める多読はそうではない。「まず正確に読め」という項目があるように、正確さを前提にした多読である。それだけに読書量と「そのことばの理解力および表現力を身につけること」との間には「関数関係が成り立つ」という言葉には説得力がある。つまり、読書量が多いほど、「そのことばの理解力および表現力が身につく」ということである。毎日、少しの英文でも読んでいきたいものである。
私は結局ある一人の人が、あることばにどの程度習熟しているか、あることばをどの程度理解し、使いこなすことができるかという度合いは、その人がそのことばでどれくらい読んだかの関数、つまり正比例の関係が成り立つと思うのです。つまり、あることばで十しか読まなかった人と百も読んだ人を比べた場合に、百読んだ人のほうが、恐らく十倍だけそのことばの理解力および表現力を身につけることができる、という意味で、関数関係が成り立つと思います。(『国弘正雄自選集 3』、国弘正雄著、日本英語教育協会、1982年、p84)
国弘さんの本に
I wonder if I can make it という例文があった。狭い道に入ってしまったドライバーの言葉だそうで、この英文を聞いて、「makeというのは、何かを満たす、充足する、果たすというのがその根本的な意味」(p263)だと知ったという。
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